診療案内

Medical guidance

最近の貴重な症例報告と感染症出席停止期間の改訂

小児科医 ( 病院長 ) : 中田成慶

症例のトピックス

最近、ご紹介いただいた貴重な症例をご報告します。
稀な症例ばかりですが、身近に、このような症例があることを改めて確認し、参考にしていただければと思います。

(症例1) 2歳 男 肝芽腫

経過:1ヶ月前から便秘で、毎日浣腸で排便。1週間前から、母親が右側腹部の堅いしこりに気付き、I先生受診。当科へご紹介いただく。

腹部超音波検査:肝右葉に約10cmの腫瘍、内部に壊死像  ALT:4IU/L, LDH:296IU/L 大阪府立母子保健総合医療センター小児外科にご紹介。αFP:19239。

肝生検:Hepatoblastoma,conbined fetal and embryonal type 遠隔転移を認めず、血液腫瘍科にてJPLTに登録、多剤併用化学療法を開始され、αFPは低下してきている。

(症例2) 14歳 男 脳腫瘍

経過:3年前から、突然30秒~3分間、意識が混濁する発作が始まり、最近ではほぼ毎日、2~3回、授業中・食事中・勉強中など時を選ばずに起こるようになる。随伴症状として、時に、生唾があがってきたり、眠気を催すこともある。T先生よりご紹介いただく。

心電図:WNL(QT延長なし)

脳波:no typical paroxysmal discharge
左右差なし

頭部MR検査:右側頭部に軽度の脳腫脹を伴うT1,T2延長域あり。
Mass effectは乏しく、DW1にて、この部分はほぼ等~低信号。
MRAにて、著変なし。

脳腫瘍として、大阪市立大学脳外科で、開頭腫瘍摘出手術していただく。「右側頭葉 退形成性神経膠腫」「MRI上、病変は全摘出され、新たな神経脱落症状なく自宅退院」「後療法の必要性を含め加療」を続けるとのご報告をいただく。

(症例3) 5ヶ月 男 結節性硬化症、ウェスト症候群

経過:以前より手に力が入る強直があった。その後10分間続く強直があり、H先生より、てんかん疑いでご紹介いただく。

心眼底検査:異常なし  頭部MR検査:明らかな脳内病変を認めず

脳波:後頭部にspike頻発  2回目の脳波ではhypsarrythmiaに近い

入院後、強直発作だが、坐位での観察で、頚の前屈、両肘の屈曲・点頭発作を認めた。ZNS投与で、発作は減少。West症候群として、府立母子保健総合医療センター神経科に転院していただく。同センターでの頭部CT検査で、脳室壁に沿って石灰化があり、結節性硬化症と診断される。ZNS増量でspasmsも部分発作も消失し、3週間後退院。心病変なし。

各症例からの教訓

症例1からは、いつもは意識して行ってはいない腹部触診を、できるだけきちんと行っていくこと。10cmの肝臓腫瘍でも逸脱酵素の上昇が見当たらないことがあること。

症例2からは、意識減損発作は、重大疾患が基礎にあることが多いので、急いであらゆる鑑別を行うこと。

症例3からは、点頭発作を見逃さないこと、点頭てんかんの基礎疾患としては結節性硬化症をまず考慮すること、MRI検査はカルシウム沈着の描出感度が低く、CT検査が必要なことなど、を教訓として、今後の診療に役立てたいと考えています。

ご紹介いただいた先生方、明確な診断と治療を行っていただいた転院先の医療機関の方々に感謝いたします。

小児科のトピックス 出席停止期間の改訂—学校保健安全法施行規則の改正

2012年4月「二類感染症」のうち、インフルエンザ、百日咳、流行性耳下腺炎に対する「出席停止」期間の基準の改定が行われました。