診療案内

Medical guidance

バレンタインデーに子ども達に愛を-小児科医療の周辺で-

小児科医 ( 副院長 ) : 中田成慶

今回は、医療の実際を離れて、小児医療の周辺で取り組まれている動きについてのトピックスです。

小児医療における子どもの権利と子どもへの配慮 プレパレーション

医療を受ける側の権利として、インフォームド・コンセントの概念が定着しつつあります。

  • 真実を知る権利
  • 説明を受ける権利
  • 自由意志による選択の権利
  • 自己決定権

等の概念が含まれています。
子どもの場合、保護者が子どもに対して行われることを許可し、子どもから同意を得ることが大切とされてきています。
プレパレーションとは、「きっと子どもが直面するだろう」と思われる医療行為によって引き起こされる様々な心理的混乱に対し、説明や配慮をすることにより、その悪影響が最小限になるように工夫し、その子なりに乗り越えて行けるように子どもの対処能力を引き出すような関わりをすることとされています。
その目的は、

  1. 子どもに情報を伝えること
  2. 子どもの気持ちを受け止めること
  3. 病院スタッフと信頼関係を作り上げること

にあります。
子どもの治療への自主的な協力を得ようとする医療スタッフの姿勢と言い換えることもできます。

例えば、採血・点滴を行うとき

  • 検査の説明を事前に行います。ゴムで駆血すること、消毒をするとスーと冷たいこと、針がチクッとだけ痛いことなどを説明し、動かないように頑張ってほしいことを伝えます。
  • 実施の際、無理やり行うことはさけて、決心ができるまで根気よく待ちます。保護者が離れると不安が強まるので、原則的には保護者に寄り添ってもらいます。馬乗り固定は行わず、できるだけ押さえ込まないことを心がけます。
  • 終わったら、頑張りをよく褒めてあげます。

このような取り組みは、人手と時間をとるものですが、今後の小児医療のあり方の方向性を表しているもので、小児医療のあらゆる場面で、プレパレーションのテクニックを完成させて行く努力を行って行く必要があると考えています。阪南中央病院小児科病棟では看護師が中心になってプレパレーションをすすめています。
このような考えに、医師全体がなじむにはまだ時間がかかりそうです。少しずつでも進めて行きたいと考えています。

潜伏期は通常3~6日。平均4~5日。
乳幼児に最もインパクトが大きく、温帯地域では冬にピークがあり、初春まで流行が続く傾向があります。また、散発的には、夏にも集団発生の報告があり、1年中注意が必要となってきています。
乳幼児では1歳までに半数以上が、2才までに100%初感染を受けます。終生免疫は成立せず、再感染が普遍的に認められ、一生の内、何回か感染を繰り返すことが分かっています。年長になるにつれて、下気道炎としての重症さは低下します。今後、高齢者の施設での集団的な下気道炎の発症が危惧され始めています。

バレンタインデーへの小さな提案

日本では、2月14日は女性が男性にチョコレートを贈る日という不思議な習慣が定着しています。間もなく、そのバレンタインデーが訪れます。
アメリカ小児科医師会(AAP)は、毎年、バレンタインデーの2月14日に向けて、「14 Ways to Show Love for Your Child This Valentine’s Day(バレンタインデーに子どもへの愛を示すための14の方法)」と言う提案を行っています。
その趣旨は、この日を、子ども達に愛のメッセージを贈るきっかけにしよう、手本としての大人の行動に見直そうというものです。以下に、抄訳(著者訳です)を載せます。

バレンタインデーに子どもへの愛を示すための14の方法

  1. ほめる、元気の出るpositiveな言葉かけを!
  2. 子どもの希望・ニーズにできるだけ素早く、優しく応えてあげて!
  3. 家庭の中でも、外でも、いつも以上に子どもの手本になるよう努力すること。
    どうぞ、ありがとう、ごめんなさいなどを、きちんと言うようにしましょう。
  4. 子どもが不機嫌なとき、寄り添って、優しくしてあげて!
  5. 体罰は厳禁。体罰を伴わない、しつけを。
  6. この日の半日は、子どもと水入らずで一緒に楽しいことで過ごす計画を立てましょう。
  7. 家族全員でゲームをする予定を立てて、カレンダーに書き込みましょう。
  8. ペットを飼うことも考えてみてあげて!特に、慢性の病気を持った子どもにとっては色々な面で、良い効果が期待でき、役に立つことも多いものだから。
  9. 一緒に食事の準備をするのは、家族の絆を強めるのに、すごく良い方法。献立、材料の調達、調理、配膳まで。
  10. 成長に伴って、自分の得意分野で能力を発揮しようとするものです。それをバックアップしてあげて!
  11. 健康のことで相談があれば、かかりつけ小児科医師に相談しましょう。
  12. あなたの価値観や信念は、直接子どもに押し付けたりしなくても、子どもは一緒の生活の中で、学び取って行くものです。説教より態度で示すことが大切。
  13. あなたがプレゼントできる最も重要な贈り物は、子どもの「自尊感情(self-esteem)」の発達を援助すること。
    子どもが強く成長するためには、あなたの変わらぬ援助と励ましが重要。
    子どもが自信を持つためには、あなたからの信頼が必要。
    愛情を注ぎ、一緒に過ごす時間を増やし、子どもの言うことに耳を傾け、たとえ途中の段階でも、それまでの成果を評価し、褒めること。
  14. 何歳になっても″I love you″と言うことを、忘れないで!

この提案(Tips)で、とりわけ感心したのは、13項目のあなたができる最高の贈り物は子どもの心の中に自尊感情が発達するのを援助することだと指摘しているところです。小児科医療の周辺、又は基盤として、子ども達に自尊感情が芽生え、成長するよう、常に意識して、当たりたいと考えています。